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羽毛布団の選び方

キルティング加工はどれがおすすめ?

キルティング加工はどれがおすすめ?

羽毛布団のキルティングは各メーカーから様々なタイプのものが販売されていますが、大きく次の4種類に分けられます。

  1. 「直キルト」
  2. 「立体キルト」
  3. 「二層キルト」
  4. 「斜めキルト」

季節や体質に合わせて選べるよう、本ページでは4つのキルティングの違いや特徴、長所・短所を解説します。

キルト名はメーカーにより名称が統一されておらず混乱しますので、どれがどのタイプかわかるよう、種類ごとの別名もまとめました。

本稿の最後で冬に一番おすすめのキルティングをご紹介しています。時間のない方は「どのキルトが一番暖かい?」をご覧ください。

キルティング加工とは

キルティング加工とは、表生地と裏生地を縫い合わせてマス目を作り、中の羽毛が片寄らないようにする縫製技術です。

同じ羽毛・生地でもキルティングによって暖かさや軽さ、フィット感が変わりますので、どのキルトタイプを採用しているかは羽毛布団選びにとって、とても重要です。

マス目の数は暖かさや寝心地にどう影響する?

3×4の12マス、4×5の20マス、5×6の30マスなど、羽毛布団には様々なマス目パターンがあります。マス目が多いほど羽毛の片寄りが少なくフィット性が向上しますが、生地部分から熱が逃げたるというデメリットもありますので、バランスが大切です。

1. 直キルト

直キルト

表生地と裏生地を直接縫い合わせたのが「直キルト」です。羽毛布団が世に出た頃はすべてこのキルトでした。縫い目部分が薄くなるため熱が逃げやすく、冬用として使うには保温性に難があります。夏用の肌掛け布団に多いキルトです。

直キルトの別の言い方は?

直キルトは「タタキキルト」「ヨーロピアンキルト」「平キルト」「平面キルト」「平体キルト」「市松キルト」「薄型キルト」など、様々な名前で呼ばれます。

直キルトの特徴
メリット デメリット
  • ・熱が逃げやすいので夏用布団に採用される
  • ・羽毛が他のマスに移動しにくい
  • ・縫製が簡単なので値段が安い
  • ・直接縫い付けているので嵩が出ない
  • ・縫い目から熱が逃げやすく、冬の保温性は期待できない
まとめ

直キルトは熱が逃げやすいため夏用の肌掛け羽毛布団に使われることが多い。

2. 立体キルト

立体キルト

表生地と裏生地の間にマチ布と呼ばれる仕切りを入れることによって嵩を出やすくしたのが「立体キルト」です。直キルトと違い、マチの高さの分羽毛布団がふくらみやすくなり、保温性が良くなります。最もポピュラーなキルトです。

立体キルトの別の言い方は?

立体キルトだけは各社で同じ呼び方をしています。他のマスに羽毛が移動しないよう工夫した立体キルトは「完全立体キルト」と呼んで区別します。

立体キルトの特徴
メリット デメリット
  • ・メジャーなキルトのため製品の選択肢が多い
  • ・保温性、通気性のバランスが良い
  • ・ダウンパワーが弱い羽毛だと良さが発揮されない
  • ・羽毛がないマチ布の部分から冷気が入り込むことがある

立体キルトはマチをつくることで羽毛のふくらむ性質を活かすキルティング。それゆえ、羽毛の質がダイレクトに羽毛布団としての性能に直結します。

マチの高さよりも頂点の高さを長くとった立体キルトもあります。ふくらむ力の強い高級羽毛を使った立体キルトに見られます。

まとめ

バランスが良く、冬用羽毛布団や春秋用の合掛け羽毛布団に広く使われる。羽毛の質によって性能に差が生まれやすいキルト。

3. 二層キルト

二層キルト

立体キルトを2層に重ね、表生地と裏生地の縫い目をずらしたのが「二層キルト」です。1層の立体キルトと違って布だけの部分がありません。体温の熱が逃げにくく、保温性は抜群です。

ただし、上層と下層を分ける布にナイロンやポリエステルを使っていることが多く、ムレ感が出やすいことと、生地が一枚多い分重くなるデメリットがあります。

二層キルトの別の言い方は?

二層キルトは「ツインキルト」「デュアルキルト」「CONキルト」と呼ばれることもあります。

二層キルトの特徴
メリット デメリット
  • ・熱が逃げにくく保温性が高い
  • ・寒がりの女性でも1枚で暖かい
  • ・生地が1枚増えるため重くなる
  • ・真冬の時期しか使えないことも
  • ・暑がりの男性には不向き

二層キルトはとても保温性に優れたキルトですが、高品質な羽毛をたくさん詰めて二層式にすると、暑くなりすぎて真冬の時期しか使えないケースがあります。

キルトではありませんが、二枚合わせ羽毛布団は二層キルトと同じような保温効果を発揮します。季節によって厚みの違う布団を使い分けられ、冬は2枚を連結して暖かく眠れます。

使う時期の限られる二層キルトの羽毛布団よりも、1年中使える二枚合わせ羽毛布団の方が使い勝手が良いのでおすすめです。

まとめ

縫い目をずらすことで熱を逃がしづらい、寒がりの人におすすめのキルト。生地の分、重くなるデメリットも。

4. 斜めキルト

斜めキルト

立体キルトの熱が逃げる問題と、二層キルトの重くなる問題を解決したのが「斜めキルト」です。縫い目を斜めにして羽毛の部屋を重ねることで熱を逃がさず、保温性が抜群です。フィット性にも大変優れています。

二層キルトと違い余計な布を使わないため、ムレ感も少なく、肌寒い時期なら長く活躍します。暖かさと軽さを両立したキルティングです。

斜めキルトの別の言い方は?

斜めキルトは「トライアングルキルト」「スライドフィットキルト」という名前で呼ばれることもあります。

斜めキルトの特徴
メリット デメリット
  • ・羽毛の部屋が重なり熱を逃がさない
  • ・余計な布を使わないため暖かさと軽さを両立
  • ・低品質な羽毛だと良さを発揮できない
  • ・縫製が難しいので選択肢が少ない

冬用羽毛布団のキルティングとして理想的な「斜めキルト」ですが、唯一の難点は選択肢が少ないこと。

高度な技術が要求される斜めキルトを仕立てることのできる縫製工場は、以前はそれなりにありましたが、コスト削減のため多くのメーカーが縫製を海外に委託するようになってからは減少を続け、現在では数える程度しか日本に残っていません。

斜めキルトはごまかしが効かないキルトです。低品質な羽毛だと良さを活かせません。

その代わり、上質な羽毛と斜めキルトの組み合わせは最高です。これまでの羽毛布団とは違う軽さと暖かさを体感できます。

まとめ

縫い目を斜めにすることで羽毛の部屋が重なり、とても暖かくて軽いキルト。縫製が難しいので選択肢が少ないのが唯一の難点。

よく聞かれる「どのキルトが一番暖かいですか?」というご質問ですが、結論から言うと、暖かさで選ぶなら「二層キルト」か「斜めキルト」です。

下記は4タイプのキルティング加工の暖かさと軽さを比較した表です。

暖かさ 軽さ
直キルト
直キルト
立体キルト
立体キルト
二層キルト
二層キルト
斜めキルト
斜めキルト

冬用の羽毛布団には、生地が増える分重くなってしまう二層キルトよりも、暖かさと軽さを両立した「斜めキルト」が一番のおすすめです。ムレ感も少ないため、秋から春にかけての肌寒い時期なら長く活躍します。

和雲の羽毛布団は暖かさが求められる冬用は「斜めキルト」、春秋用は「立体キルト」、夏用はマチを低くとった「立体キルト」を採用。季節に合わせてキルティングの種類を変えています。

和雲の羽毛布団は、こちらのページからご確認いだけいます。

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