※羽毛布団には「本掛け」「合掛け」「肌掛け」の3種類があります。それぞれの選び方は「季節にあわせた羽毛布団の選び方」をご覧ください。
羽毛布団を買うときによく見る「ダウン率」。85%や90%、93%などいろいろあるけど、「そんな微妙な違いで差がでるの?」と思ったことはないでしょうか。
ダウン率が高いから良い羽毛布団とは限りませんが、ダウン率が低いと確実に品質は低下します。羽毛布団の良さを実感したいなら「ダウン率は90%以上」がおすすめです。
このページではダウン率の基準となる4つの数字の違いや、購入の際にダウン率と合わせて見ておきたいポイントについて解説します。
目次
ダウン率とは
ダウン率とは、羽毛布団に入っているダウンの割合のことです。
羽毛布団の中身は大きく「羽毛(ダウン)」と「羽根(フェザー)」に分かれています。ダウン率が「70%」の場合、羽毛布団の中身のうち70%がダウン、30%がフェザーということを意味します。
フェザーの保温性はダウンと比べて大きく劣りますので、良質な羽毛布団ほどダウンが多く使われます。
ダウン率はどのくらいが良いのか違いを比較
ダウン率には基準となる数字が4つあります。
- 50%
- 80%
- 90%
- 93%
購入しようとする羽毛布団がどこのラインのダウン率なのかである程度の品質を見分けることができますので、覚えておくと便利です。
ダウン率50%以上
ダウン率が50%を下回ると「羽毛布団」とは呼べなくなり、「羽根布団」という分類になります。50%は、羽毛布団かどうかの境目になる数字です。
ダウンの割合が半分以上あれば表記上は一応「羽毛布団」と呼ぶことができますが、あくまで最低基準。
軽さや保温性、湿度の調整機能など羽毛布団の良さはほとんど感じられないため、ダウン率80%未満の羽毛布団はおすすめできません。
ダウン率50%は、羽毛布団かどうかの境目になる数字
ダウン率80%以上
ダウン率が80%を超えてくると、日本羽毛製品協同組合が発行する4つのゴールドラベルのうち、下から2つめの「エクセルゴールドラベル」のランクに当たります。
ダウン率が80%や85%の羽毛布団は価格もお手頃のため、量販店では売れ筋商品として販売されています。
暑がりの場合はダウン率は高くない方がいいと聞いたことあるわ。うちの旦那は暑がりだから80%ぐらいが良さそう。
なぜか暑がりの方にはダウン率が低い方が良いと説明されることがあるのですが、これは逆で、暑がりの方ほどダウン率は高い方が良いです。
良質なダウンには、湿度が高くなるとダウンボールが閉じて湿気を逃す天然のエアコン機能がそなわっています。
もしダウン率を高くすると蒸れるようであれば、それはダウンの質が悪いか、ポリエステル混を使うなど側生地の通気性が悪い可能性があります。
良いダウンは寝汗による湿気を布団の外に排出しようとしてくれますので、暑がりの場合はダウン率を落とすのではなく、ダウンの充填量を減らすようにしてください。
× | ○ |
---|---|
ダウン率80%/充填量1200g | ダウン率93%/充填量1000g |
羽毛の質と充填量の関係についてはこちらの記事が参考になります。
暑がりの方は通気性の良い側生地を使うことで改善される場合があります。
ダウン率80%は、羽毛布団の良さを感じることができる最低ライン。真冬だと少し寒く感じる方もいるかもしれません。
お値段重視の場合はこのランクから選びます。
ダウン率80%以上は最低ライン。真冬だと寒い場合も
ダウン率90%以上
羽毛布団の良さは「軽くて暖かく、湿気をよく吸収しムレ感が少ないこと」です。
この良さを実現するのはフェザーではなくダウン。羽毛布団の良さを実感できる目安となる数字がダウン率90%以上です。
90%あると、布団を触ってもフェザーのかさかさした感じはほぼわからなくなります。布団にくるまったときの柔らかさ、ふかふか感が違って幸せです。
ダウン率90%というのは、4つのゴールドラベルのうち上から2番目の「ロイヤルゴールドラベル」の基準です。業界基準としても、ここが一つの品質の分かれ目になっています。
記事の後半で詳しく解説しますが、注意が必要なのが、ダウン率にはプラスマイナス5%の許容誤差があり、表記上は90%でも実際は85%という場合があることです。
確実にダウン率90%以上の羽毛布団を求めるなら、93%以上を選ぶとより安心です。
羽毛布団の良さを実感するならダウン率90%以上がおすすめ
ダウン率93%以上
最も品質が高いと認められた羽毛布団に発行される「プレミアムゴールドラベル」では、ダウン率を93%以上と定めています。このクラスからは高級羽毛布団と呼ばれます。
90%と93%の違いってそんなにあるの?と思われるかもしれません。
正直、2つを寝比べでもしない限りは一般の方にはほとんど違いはわからないと思います。ただ、たったの3%でもダウンの量はかなり変わります。
例えばこちらの瓶に入っている羽毛はどれも1gです。(ダウンの質によって同じ重さでもかさ高が変わります)
※瓶のサイズは高さ15cm×直径10cm。1リットルの牛乳パックより少し多めに入る容量です。
充填量1000gのシングル羽毛布団なら、3%のダウン率の違いで30gのダウン量の違いが生まれます。上の瓶にして30個分(牛乳パック30本以上)。こう考えると結構な量の違いがあることがわかると思います。
性能を求めるならダウン率は100%がベストですが、羽毛の精製技術がすすんだ今もダウンだけを100%選別することは困難です。どうしても数%程度のフェザーや「ダウンファイバー」と呼ばれる細いダウンが混ざってしまいます。
そのためダウン100%という商品は存在せず、最高級の羽毛布団でもダウン率は95%程度になります。
睡眠の質にこだわる場合はダウン率93%以上を選ぼう
ダウン率には許容誤差があるので注意
ダウン率には家庭用品品質表示法で±5%の許容誤差が認められています。
ダウン率は5%違うと数万円の価格差が生まれますので、下限のマイナス5%に合わせて製造するメーカーもあれば、表示するダウン率を下回らない量を詰める、という基準を設けているメーカーもあります。
同じダウン率90%の羽毛布団でも、メーカーのスタンスや精製技術によって実際のダウン率は85%から95%までのブレがあるということです。
ダウン率が10%違うと、布団をまとった時の感覚がかなり違ってきますので、ダウン率を見るときは表面上の数字だけでなく、信頼できるメーカー、ブランドであるのかを見極める必要があります。
日本羽毛製品協同組合では家庭用品品質表示法よりも厳しい基準を設けており、許容範囲は±3%までとしています。
中でも、最も品質の高い羽毛布団に発行されるプレミアムゴールドラベルでは、-1%+3%と、マイナスの誤差は1%しか認められていません。
ニュー ゴールドラベル |
エクセル ゴールドラベル |
ロイヤル ゴールドラベル |
プレミアム ゴールドラベル |
---|---|---|---|
50%以上 | 80%以上 | 90%以上 | 93%以上 |
ロイヤルゴールドラベルなら87%以上、プレミアムゴールドラベルなら92%以上が必ず入っているということです。
ゴールドラベルのランクを確認することは、ダウン率をみるうえでの一つの安心材料となるかもしれません。
ちなみに和雲のスタンダードモデルではロイヤルゴールドラベルを取得しており、ダウン率は93%です。許容される下限はマイナス3%の90%ですが、きちんと93%以上になるようしっかり詰めていますのでご安心ください。
同じランクのラベルでも、ダウン率はそれぞれの商品で異なります。
ダウン率だけでは品質はわからない。合わせて確認したいポイント
ダウン率は90%以上がおすすめですが、ダウン率だけでは羽毛布団の品質はわかりません。
使われているダウンが成熟した大きなダウンボールなのか、未熟で小さなダウンボールなのかによって暖かさも耐久性も大きく変わります。
ダウン率と合わせて検討したいポイント- ダウンボールの大きさ
- 側生地の素材と通気性
- 羽毛の清浄度
羽毛布団を購入する際にダウン率と合わせて見ておきたいポイントは、下の関連記事で詳しくご紹介しています。よろしければ参考にしてみてください。