和雲の羽毛布団づくり

羽毛を洗う「超軟水」と「150℃高温殺菌」

羽毛を洗う「超軟水」と「150℃高温殺菌」

羽毛は自然の産物ゆえ、原毛には表面にアカや脂肪分が付着しています。

洗浄が不十分でこれらの不純物が残ったままだと、特有の臭いが羽毛布団に残る場合があります。

ここに洗浄前の羽毛と洗浄後の羽毛の顕微鏡写真があります。ホコリやアカが付着した羽毛に対し、洗浄後の羽毛は小羽枝(しょううし)が開き、細部に至るまで汚れが取り除かれていることがわかります。

洗浄前と洗浄後の羽毛
汚れが付着している洗浄前の羽毛(左写真)と細部まで綺麗になった洗浄後の羽毛(右写真)

和雲の羽毛がこのように細部まで清潔な秘密は、伊勢平野の「超軟水」にあります。

細部まで清潔な羽毛布団を作り出す伊勢平野の「超軟水」

私たちが普段使用している水道水は、硬度50〜60mg程度の軟水です。

硬度というのは水1リットル当たりに含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの量で、水の中に鉱物が少ないのが軟水、鉱物が多いのが硬水です。水にも風味の違いがあるのは硬度が違うためです。

WHO(世界保健機関)の基準では硬度120mg/ℓ未満が軟水、120mg/ℓ以上が硬水とされています。

ヨーロッパの水は硬度が300mg以上ある地域も多く、ミネラルが非常に多いため、慣れていない人が飲むとお腹を下してしまうことがあります。

日本はもともと硬度50~60mgの軟水の地域が多いのですが、その中でも硬度3.2mgとずば抜けて硬度の低い水が流れるのが、一級河川である櫛田川と宮川が流れる伊勢平野です。

伊勢平野
硬度の低い水が流れる伊勢平野

羽毛の洗浄に最適な、鉱物をほぼ含まない水

伊勢平野を流れる「超軟水」が、赤ちゃんでも安心な和雲の羽毛布団を作り出しています。

地域による水の硬度の違い

伊勢平野の西側には世界有数の降雨量を誇る大台ヶ原山地があります。

山地に降った大量の雨は地下深くまで浸み込み、1000年以上の長い年月をかけて水に溶ける鉱物を洗い流し、鉱物をほぼ含まない超軟水となって大量に流れています。

三重県大台ケ原山系伊勢平野の超軟水

硬度の高い水では汚れが落ち切らない理由

羽毛の洗浄に利用する水は、硬度が少なければ少ないほど適しています。

硬度の高い水では羽毛洗浄に使用する石鹸がカルシウムやマグネシウムと反応して「石鹸カス」に変化し、洗浄力も低下します。

アカや脂肪分が羽毛に残ると、羽毛特有の臭いが残る場合があります。

きめの細かい伊勢平野の超軟水で洗った羽毛には石鹸カスがほとんど残らず、水の粒子が細かいため、羽毛の細部を洗浄します。

全国でも珍しい抗酸化力を持つ水で羽毛の酸化を防ぐ

水には硬度だけでなく、酸化度を表すORP(酸化還元電位)という基準があります。
プラスの数値が大きいほど酸化されている水です。

日本の水道水はORPが+500~600程度であることが多く、天然水でも+200~300程度の数値になりますが、伊勢平野の水は、なんとORP(酸化還元電位)の数値がマイナスです。

ORP(酸化還元電位)

ORPがマイナスの数値の水は、全国を探してもごく限られた場所にしか存在しません。

酸化の数値がマイナスであることで、洗浄時に羽毛の酸化した部分から酵素を引っ張り出し、還元作用により傷んだ部分を修復する力があります。

羽毛の洗浄に最適な水であるだけでなく、抗酸化力により羽毛の傷みを修復する水でもある伊勢平野の水は、羽毛の洗浄のための特別な水であるといえます。

豊富な地下水を利用し、常に新しい水で洗浄

大量の水で羽毛を洗浄

羽毛を洗うためには大量の水が必要です。

鉱物が多く含まれている水道水や汚れた水でいくら洗っても、羽毛が完全に綺麗になることはありません。

世界有数の多雨地帯である大台ヶ原山地の地下には水がふんだんに蓄えられているため、常に新しく清潔な水を使って洗浄することができるのです。

洗浄に使われた水は、伊勢湾の環境基準を遵守して排水されます。

和雲の羽毛布団は、抗酸化力が高く鉱物がほとんど含まれない「超軟水」を贅沢に使って洗浄されています。

コストは掛かりますが、これも清潔な羽毛布団をつくり、最高の眠りをお届けするためのこだわりです。

殺菌・消臭効果を高める「150℃高温殺菌」

羽毛の洗浄工程では120℃で20~25分かけて乾燥させるのが一般的ですが、和雲の洗浄工程では150℃の高温で短時間で一気に乾燥させます。

乾燥に時間をかけないことで羽毛に負荷をかけずにすみ、濡れた羽毛にわずかに残っていたアカが剥がれ落ちる効果や、高温による殺菌や消臭の役割もあります。

臭いの元となる有機物がほとんどない、赤ちゃんでも安心して利用できる清潔な羽毛布団をお届けします。

ずば抜けて綺麗な羽毛布団で最高の眠りを

和雲製品の羽毛を精製・洗浄してくださる河田フェザーさんは、羽毛のホコリやアカを取るために適した乾燥した気候と硬度の低い水を探し求めて、会社を名古屋から三重県伊勢に移転したほど、羽毛の清潔さにこだわりのある会社です。

羽毛洗浄の技術力が世界トップレベルなのに加え、伊勢地域の気候と水が、和雲が毎シーズン、清潔な羽毛布団を皆様にお届けできる大きな理由です。

和雲の羽毛には不純物が極端に少ないため、本来の性能をフルに発揮することができます。

ホコリや臭いの元となるアカが少なく、アレルギーの心配も軽減されます。

本来、きちんと精製・洗浄された羽毛は無臭で、ほかの繊維と比べてもきれいな素材です。

お手元に届いたら是非羽毛の匂いをかいでみてください。

100%天然の素材にもかかわらず、まったく嫌な臭いがしないことに驚くと思います。

羽毛のにおい